日本語が難しい言葉である本当の理由
日本語は特殊で難しい言葉だ。
日本語のアルファベットである、ひらがな・カタカナは日本特有のものだ。
それに加えて、漢字も東アジア特有のものだが、中国の漢字と違うのは日本語の漢字は読み方が複数あるということ。
それと日本人からすると日本語はすごくシンプルな発音だと感じるが、日本語は世界的には珍しい母音言語であるため特有の発音をする。
さらに文法も英語のようなSVOではなくSOV。
主語→動詞→目的語ではなくて、主語→目的語→動詞の順番ということだ。
奥が深いのが、細かいニュアンスを操るように言葉を変えることができる。
そして、最も難しいのがイントネーション。
日本語の語彙力が高い日本在住の外国人が日本語を話しているのを目をつぶって聞いていても、イントネーションの癖から外国人だとわかる。
イントネーションは英語などにはあまり無い要素だから習得が難しいようだ。
このように日本語には他の国にはなかなかないものがたくさんあるので難しい。
しかし、これは表面的な難しさにすぎない。
それはどういうことか。
では、日本語がなぜ難しい言葉なのか本当の理由を解説していこう。
- 日本語が難しい言葉である理由
- 日本語という言葉の良いところ
- 日本語という言葉を習得するとついつい使ってしまう理由
- 日本語という言葉に宿るもの
- 日本語という言葉の仕組みを利用したもの
- 日本語という言葉は奥が深い
日本語が難しい言葉である理由
日本語が難しい言葉である本当の理由は、日本人の感性が豊かで繊細だということ。
だから直接的な言葉以外で読み取ったり感じ取ったりする要素が強い。
だから同じ意味を持つ言葉でもたくさん言葉の種類があるのだ。
日本には四季があり日本人は各季節を楽しむ。
雨の音や虫の声にも風情を感じる。
こういうのは日本特有だそうだ。
日本がそういう国だから日本人の感性が豊かで繊細なのか、
日本人の感性が豊かで繊細だから四季を楽しむようになったのかはわからないが、
日本や日本人のそういうところが日本語を難しくしている。
しかし日本語が難しいからと言って、それ自体が悪いことではない。
日本語という言葉の良いところ
日本語はそういうところが難しい分、習得すれば様々なことを言葉で具体的に表現することができる。
個性の表現がしやすいのだ。
日本以外の国では言葉を話しながらジェスチャーをする国が多い。
これは言葉だけでは伝えられないことをジェスチャーによって表現するためではないだろうか。
日本人はジェスチャーをあまりしない。
言葉で細かく表現することができるからだ。
だから日本語を習得した外国人でも日本語の方が自分の個性を表現しやすいから、日本語を話していたいという人もいる。
さらに痛い時や熱い時などとっさに出る言葉でも日本語が出るという外国人もいる。
可愛いものを見たときにも母国語ではなく日本語で可愛いという人もいる。
可愛いものには可愛いという感じがするそうだ。
日本語では具体的に自己表現できる分、日本語自体をできるだけ正確に使っていくことが重要になる。
それに比べて英語はザックリ覚えて使っていっても大丈夫なはずだ。
日本語という言葉を習得するとついつい使ってしまう理由
それは日本語が母音言語だからというのが一つの理由。
日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の5種類ある。
それぞれの母音の音で感じるものが変わる。
これは多くの日本人でもわかっていないことだが、各母音にはニュアンスが含まれる。
そしてそのニュアンスは無意識で感じ取られる。
例えば、
形容詞など「い」の音で終わる言葉は何かを表現していると無意識で感じとっている。
人の名前でも「い」の音で終わる名前は「優しい」「綺麗」「可愛い」などを連想させる。
そして、「あ」の音で始まる言葉は「明るいハッキリ」したニュアンスを含む。
さらに、動詞などの「う」の音で終わる言葉は完結した閉鎖的な印象を感じる。
「う」の音の発音自体が閉鎖的なのだ。
人の名前でも「う」の音で終わる名前は完結感を感じる。
日本語という言葉に宿るもの
ところで、日本語には言霊(ことだま)という言葉がある。
言葉には魂が宿るという考え方だ。
これはそういう日本語が持つ無意識レベルに感じるニュアンスが正体なのかもしれない。
例えば、「ありがとう」という言葉を頻繁に言うようにすると、運気が上がると言われている。
日本語のありがとうという言葉は英語のサンキューに比べて本当にありがとうという感じがする。
これは明るい印象のする「あ」の音から始まって完結感のある「う」の音で終わるという言葉の作りも関係していると思うが、語源も関係しているかもしれない。
ありがとうの語源とは、難が無い人生は「無難」でつまらない。
それに対して、難が有る人生は「有難し(ありがたし)」。
これが変化して「有難う(ありがとう)」ということ。
そう考えると、日本語のありがとうという言葉に限ったことではないが、日本語は合理的に作られていると感じる。
日本語という言葉の仕組みを利用したもの
そんな日本語の仕組みを利用した面白い発想が日本にはある。
日本のアニメや漫画やゲームの中でその発想が使われている。
それは、呪文だ。
知らない人も多いかもしれないが、昔スレイヤーズというアニメが流行った。
このアニメに登場する女主人公は魔法を使ってモンスターを倒していく。
その魔法を使うときは呪文を唱える。
古文の授業なんかで習うような昔の日本語だ。
日本語が持つ言葉の力を使い無意識や言霊を使い具現化させている。
こういうのも日本語ならではの発想ではないだろうか。
日本語という言葉は奥が深い
このように日本語はすごく深い。
日本の文化も深い。
まるでそんな深い文化と言葉が連動しているようだ。
日本語を語るには日本のそういう背景や文化も知らないと、本当に日本語という言葉を習得した内に入らないのかもしれない。
その分、日本語という言葉は面白いと感じるし、自己表現もしやすい。